後藤 英(ごとう すぐる)
作曲家
アメリカ、ボストンのニューイングランド音楽院、そして、ドイツのベルリン芸術大学、ベルリン工科大学などにて学ぶ。作曲をアメリカにて、アール・ブラウン、ロバート・コーガン、ルーカス・フォス、ドイツでは、ディーター・シュネーベル、フランスではIRCAMにてトリスタン・ミュライユとブライアン・ファニーホウに学ぶ。
主な賞歴は、ボストン・シンフォニー・オーケストラ・フェローシップ、タングルウッド音楽祭より、クーセヴィツキー賞、ワシントン州のマルゼナ国際作曲コンペティションにて第1位、ドイツにてベルリナー・コンポジション・アウフトラーゲ1994、パリのユネスコで行われた、IMC国際作曲家会議にて入選、フランス政府よりDICREAM、ドイツ、ベルリンのミュージック・シアター・ナウ・アワード2008にて受賞、フランス、バン・ニューメリック4、アンガン・デ・バン・デジタル・アート国際フェスティバルにて、「OFQJダンス・ニューテクノロジー賞」を受賞、2010年ブラジルのFileフェスティバルにてFILE PRIX LUXのElectronic Sonority Honor Award 賞、2011年イタリアにてAction Sharing 2の大賞を受賞、2013年KAO国際キネティック・アート・コンペティションにて第2位、同年オーストリアのアルスエレクトニカにてデジタル・ミュージック&サウンド・アートの栄誉賞を受賞などが挙げられる。作品は世界各国の音楽祭、レゾナンス/IRCAM、タングルウッド音楽祭、ICC、SONAR、 Haus der Kultures der Welt, ISEA、NIME, ヴェネツィアビエンナーレなどにて演奏されている。
1995年、マルティ・メディア・オペラ作品、"NADA"がベルリンのシャウルシュピール・ハウスにて演奏される。同年より、IRCAMにてコンピューター音楽を研鑽し、その後、研究員として、ジェスチュアル・インフォマティックの開発に携わる。2000年、東京フィルハーモニによりオーケストラ作品”ResonanceII”がオーチャード・ホールにて初演された。2003年、IRCAMのレゾナンスのフェスティバルでポンピドゥー・センターにてソロ・リサイタルを行い好評を得る。2006年、イギリスのAVフェスティバルより委嘱され、作品は話題となった。現在はIRCAMにてアーティフィッシャル・マウスのプロジェクトを行っている。2009年にはイタリア、第53回ヴェネツィアビエンナーレに招待された。
作品は、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、オランダ、ウクライナ、スペイン、カナダ、ポルトガル、ポーランド、スロベニアルーマニア、日本などにて演奏されている。作品は、ドイツのエディション・ヴァンデルヴァイザーより出版、"Onomatopoeia and Montage"は、ドイツのアカデミー・デア・クンストより、”Temps tresse III”はALM RecordsよりCDに収められている。2016年にはアソル・ハーモニクスより2枚組みのCD、「CsO」、スタイルノート出版社よりEmprise(エンプリズ) ~現代音楽の系譜から、コンピューター・ミュージック、エレクトロニック・ミュージック、ニュー・メディア・アート、新たなパフォーマンスへの進化~の書籍を出版する。現在、東京芸術大学、音楽学部、准教授。
「人間の感性と音の境界線への旅。これはサイエンスフィクションか現実なのか? それとも近い将来 ? 日本の指導的、実験アーティスト、後藤英は新世代のリード指数であり、世界的に重要な貢献をし続けている。」
_イタリア 第53回ベネチアビエンナーレ 2009のカタログより抜粋
「技術的進化の速度はもう一つの挑戦である。アーティストが、インタラクティブな現象を探求して、それによって作品のアイデアを開発し、すべての技術的障害を克服してしまうだろうとき、 既に発明は新しいプロセスによって取って代わられるかもしれない。 日本の後藤英がこれと直接の繋がりがある空間を提供しているのを見ることは驚くべきものである。」
_フランス 雑誌Danser(2009年6月号)より抜粋
作品リスト
A. 室内楽 | |
1. Gen-Ei | 編成: フルート、 オーボエ、 クラリネット、 バスーン、フレンチ・ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ、打楽器、ハープ、ピアノ、第一ヴァイオリン、 第二ヴァイオリン、ヴィオラ、 チェロ、コントラ・バス
演奏者数: 16 作曲年: 1989 演奏時間: 約 16'00" 初演場所: タングルウッド音楽祭、レノックス、アメリカ |
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2. Kinesta | 編成: フルート、クラリネット、 打楽器、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ
演奏者数: 6 作曲年: 1990 演奏時間: 約 12'00" 初演場所: ジョーダン・ホール、 ボストン、 アメリカ |
3. Trio | 編成: フルート、ヴァイオリン、ピアノ
演奏者数: 3 作曲年: 1993 演奏時間: 約 13'00" 初演場所: 北トピア、東京 注: この作品で使われる補助楽器は、作曲家より入手可能。* 出版社: エディション・ヴァンデルヴァイザー** |
4. Five Subjects for Time(エレクトロニクスを含まない) | 編成: トランペット、ピアノ
演奏者数: 2 作曲年: 1994 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: BKA、ベルリン、ドイツ |
5.Onomatopoeia and Montage | 編成: フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノ
演奏者数: 6 作曲年: 1994 演奏時間: 約 7'00" 初演場所: BKA、ベルリン、ドイツ 注: CDより録音入手可能*** < |
6. 418.506 + a... | 編成: ソプラノ、フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノ
演奏者数: 7 作曲年: 1995 演奏時間: 約 50'00" 初演場所: バルハウス・ナウインシュトラッセ、ベルリン、ドイツ |
7. Corps sans organes | 編成: Flute, Saxophone, Piano, Harpsichord
演奏者数: 4 作曲年: 2002 演奏時間: ca 15'00" 初演場所: CLERMONT FERRAND - Scène nationale de Cébazat / Festival Inter'Notes, Rue Abbé de l’Epée, 63000 Clermont-Ferrand, 3 Mars 2005, Quatuor Apollinaire |
8. Duali II | 編成: リコーダー、ヴァイオリンI、ヴァイオリンII、ヴィオラ、チェロ
演奏者数: 5 作曲年: 2019年1月15日 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: 東京芸術大学、第7ホール |
9. Motor and Vibration Studies | 編成: ピアノと4人の内部奏者
演奏者数: 5 作曲年: 2019年7月11日 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: 東京芸術大学、第7ホール |
B. オーケストラ作品 | |
1. Rime Resonance | 編成: (3, 3, 3, 3)、 (4, 3, 3, 1)、 ハープ、2 打楽器、 ピアノ、チェレスタ、 第一 ヴァイオリン、 第二ヴァイオリン、 ヴィオラ、チェロ、コントラ・バス
作曲年: 1989 - 1990 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: アスペン・ミュージック・フェスティバル、 コロラド、 アメリカ パート譜は作曲家より入手可能。* |
2. Iso | 編成: (3, 3, 3, 3)、 (4, 3, 3, 1)、 ハープ、2 打楽器、 ピアノ、チェレスタ、 第一 ヴァイオリン、 第二ヴァイオリン、 ヴィオラ、チェロ、コントラ・バス
作曲年: 1992 演奏時間: 約 15'00" 初演場所: 静岡文化センター、静岡 パート譜は作曲家より入手可能。* |
3. Resonance II | 編成: (4, 4, 4, 3)、 (4, 3, 3, 1)、 ハープ、5 打楽器、 ピアノ、チェレスタ、 第一 ヴァイオリン、 第二ヴァイオリン、 ヴィオラ、チェロ、コントラ・バス
作曲年: 1999 演奏時間: 約 11'00" 初演場所: オーチャード・ホール、東京 (2000.01.21) 指揮:大野和士、東京フィルハーモニック・オーケストラ パート譜は作曲家より入手可能。* |
C. エレクトロニクス/コンピューター音楽作品 | |
1. Catalysitica | 編成: 弦楽四重奏、 テープ
演奏者数: 5 作曲年: 1989-1990 演奏時間: 約 16'00" 初演場所: NHK電子音楽スタジオ、東京**** 注: 第一ヴァージョンは2台スピーカーを使用し、第二ヴァージョンは8台スピーカーを用いる。 NHK電子音楽スタジオにて制作。 テープはNHK電子音楽スタジオ、または作曲家より入手可能。* |
2. Reparticlius | 編成: フルート、 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、テープ
演奏者数: 4 作曲年: 1991 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: ブラウン・ホール、 ボストン、 アメリカ 注: 指揮者必要。 テープは作曲家より入手可能。* |
3. Transformation | 編成: 弦楽四重奏、 コンピューター
演奏者数: 5 作曲年: 1991 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: 奏楽堂、 東京 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
4. Transformation II | 編成: ピアノ、エレクトロニクス
演奏者数: 1 作曲年: 1992 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: アカデミー・デア・クンスト、ベルリン、ドイツ 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
5. Terius | 編成: 32女声、コンピューター
演奏者数: 32 作曲年: 1992 演奏時間: 約 15'00" 初演場所: 練馬文化センター、東京 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
5. Terius | 編成: 32女声、コンピューター
演奏者数: 32 作曲年: 1992 演奏時間: 約 15'00" 初演場所: 練馬文化センター、東京 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
6. Five Subjects for Time(エレクトロニクスを含む) | 編成: トランペット、ピアノ、エレクトロニクス
演奏者数: 2 作曲年: 1994 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: BKA、ベルリン、ドイツ 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
7. Transformation III | 編成: アルト・リコーダー、マリンバ、コンピューター
演奏者数: 2 作曲年: 1995 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: ジェノヴァ、イタリア 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
8. VirtualAERI | 編成: チェロ、打楽器、ヴァーチャル・リアリティー・システム
演奏者数: 3 作曲年: 1996 演奏時間: 約 30'00" 初演場所: エスパス・ドウ・プロジェクション、IRCAM、パリ、フランス 注: 第一ヴァージョンは3人の演奏者のために作曲され、第二ヴァージョンはヴァーチャル・リアリティー・システム・ソロのために作曲されている。 ヴァーチャル・エアリはIRCAMにて制作された。特別な器材は作曲家またはIRCAM*****より入手可能。 |
9. o.m.2 – p.p. – g.i. | 編成: フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、打楽器、ピアノ、テープ
演奏者数: 6 作曲年: 1997 演奏時間: 約 20'00" 初演場所: 秋吉台国際20世紀音楽セミナー&フェヅティバル、山口 注: 指揮者必要、テープは作曲家より入手可能 |
10. Temps tressé | 編成: ヴァイオリン、コンピューター
演奏者数: 1 作曲年: 2000 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: l’ENSCI、パリ、フランス(2000.02.12) /松田洋子 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
11. Temps tressé II | 編成: トランペット、コンピューター
演奏者数: 1 作曲年: 2001 演奏時間: 約 12'00" 初演場所: バリオ・ホール、東京(2000.02.12) /曽我部清典 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
12. Temp-tresseé III | 編成: テナーサクソフォン、コンピューター
演奏者数: 1 作曲年: 2001 演奏時間: 約 18'00" 初演場所: 森林文化アカデミー、岐阜(2000.09.01) /齋藤貴志 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
13. quantiqueG | 編成: チェンバロ、コンピューター
演奏者数: 2 作曲年: 2018年1月7日 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: 東京芸術大学、奏楽堂/大塚直哉 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
14. quantiqueG II | 編成: バス・リコーダー、コンピューター
演奏者数: 2 作曲年: 2018年4月3日 演奏時間: 約 10'00" 初演場所: 東京芸術大学、第7ホール/鈴木俊哉 注: 特別な器材は作曲家より入手可能。* |
D. コンタクト | *後藤 英 | 住所: 〒120-0034 東京都足立区千住1丁目25−1 東京芸術大学、千住キャンパス
Tel: 050-5525-2727 Fax: 03-5284-1576 Email: mce-office@ml.geidai.ac.jp |
**Edition Wandelweiser GmbH | Fuebringerstr. 25, 10961 Berlin, Germany
Tel: +49 (30) 694 83 31 Fax: +49 (30) 694 94 33 |
***ACADEMY | Akademie der Kueste, Abteilung Musik, Hanseatenweg 10, 10557 Berlin, Germany
Tel: +49 (30) 39 00 07-0 Fax: +49 (30) 39 00 07-71 |
****NHK電子音楽スタジオ | NHK 日本放送協会 東京都渋谷区神南2-2
Tel: (03) 3465-1111 |
*****IRCAM | 1, place Igor-Stravinsky, 75004 Paris, France
Tel: +33 (1) 01 44 78 48 43 Fax: + 33 (1) 01 44 78 15 40 |
助成金・賞歴
2021 | 花王芸術・科学財団 2021年度 音楽公演への助成、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団 芸術文化活動助成 |
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2019 | 放送文化基金 |
2017 | 日本学術振興会 科学技術人材育成費補助金 「マルチメディア・コンテンツに関する領域融合・実践型国際研究による人材育成」頭脳循環プログラム |
2013 | アースエレクトロニカ2013 デジタル・ミュージック& サウンド・アート 栄誉賞(リンツ、オーストリア) |
2013年度KAO国際キネティック・アート・コンペティション 第2位(フロリダ、アメリカ) アクション・シェリング 第1位(トリノ、イタリア) |
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ファイル・フェスティバル ファイル・ブリ・ルックス エレクトロニック・ソノリティー栄誉賞(ブラジル) | |
2010 | DIRECAMメディア・アート・プロジェクト助成金 、フランス文化庁、フランス |
2009 | ダンス・アンド・ニューテクノロジー賞 バン・ニュメリック#4 オンゲン・ル・バン・デジタル・アート・国際フェスティバル (オンゲン・ル・バン、フランス) |
2008 | 2008年度ミュージック・シアター賞 (ベルリン、ドイツ) DIRECAMメディア・アート・プロジェクト助成金 フランス文化庁(フランス) |
2002 | DIRECAMメディア・アート・プロジェクト助成金 フランス文化庁(フランス) |
1993 | ベルリナー・コンポジション・アウフトラーゲ ベルリン文化庁 (ドイツ) |
1990 | マルゼナ国際作曲コンペティション 第1位 (シアトル、アメリカ) |
1989 | ボストン・シンフォニー・オーケストラ・フェローシップ (ボストン、アメリカ) |