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RoboticMusic - Percussion Robots

RoboticMusic (ロボティック・ミュージック)

このプロジェクトの本来のタイトル、 Artificial Body and Real Body (人工の身体と本物の身体)は文字通りの意味のように、人工の身体はロボットを指し、本物の身体は人間の身体のことである。アコースティック楽器を演奏するロボットを開発するにあたって、人間の身体とその楽器を演奏する動作を学び、この身体を模倣するロボットを製作する。つまり、新たな楽器を開発することがこのプロジェクトの目的では必ずしもなく、すでに存在する楽器を人工の身体が演奏するのが主眼である。
後藤英はすでに5台の打楽器を演奏するロボットを開発した。これらはRoboticMusic(ロボティック・ミュージック)と名付けられ、2003年に神戸のジーベック・ホールで、ワークショップも含まれる、展覧会とコンサートが行われた。現在ロボット自体が世間で話題になっている要因もあり、このイベントには、大人から子供、アーティストからロボット研究者などに広範囲に渡る多くの人々が訪れ、メディアにも騒がれる程の盛況と成功を収めることができた。
それぞれのロボットはコンピューターから制御され、それぞれが自由自在に、または、全体を同時に操作することなどができる。また、楽器がロボットに演奏されることによって、人間よりは遥かに正確に、かつ、長時間の演奏の限度も可能となる。また、人間では不可能な早いメローディ、人間の能力を超えた高い、または、低い音などが演奏できることなど、これまでに考えられなかったような音楽の演奏も可能となる。

 


展示について

5台のロボットが常時展示され、あらかじめパターンや曲が用意されたモード、そして、観客自らの演奏のモードを選択することができる。前者では、Max/MSPにて作品が作曲され、アルゴリズにてリアルタイムにロボットが演奏を行う。後者の観客自らの演奏のモードでは、インタラクションのプログラムを作り、会場に訪れた観客がコンピューターのスクリーンをマウスでクリックするなど様々な方法で実際にロボットを演奏する。

 

 

コンサートについて

展示とは異なり、コンサートなどの状況に置いてデモストレーションすることにより、ロボットとの共存、関係性、人間の演奏家とロボットの演奏はどのように異なるか、または、どちらが上回り、どのような点で不利な点があるか。人間の身体性とロボットの行為、音楽という高度な知能が必要されるものにおいて、ロボットの現在の技術はどこまで答えるかなど探ることになる。
ロボットは人間よりも早く、正確に演奏することができる。また、人間は同じ行為を長い時間、または、半永久的に繰り返すことは無理であるが、ロボットでは可能である。しかし、人間が微妙な音楽の表現をできるのに対して、実際に同時にロボットが演奏した場合、機械的な音楽表現の特種な面が浮き上がらせることができるかもしれない。

 



音楽を演奏する行為とは、一見単純な筋肉の動きのように感じられても、実は非常に微妙な筋肉の動きを操作しなければならない。今ここで、ショパンのエチュードをピアノで弾く行為を思い出せば分かりやすいだろう。指先から腕と肩、さらに目と呼吸まで、数えきれない程の多くの数の筋肉を同時に非常なミクロの世界で微妙にコントロールしなければならない。さらに、音楽には行為に留まらず、様々な異なる次元が多くあり、複雑な時間構造とその感覚、音色に対する耳とその判断、そしてそれを実現するための筋肉の操作、音色の強弱を変えるのはただパラメーターのだけに思えても複雑な曲線の速度の違いに基づいている。例えば、ロボットが太鼓を良い音色で、強弱を変えた一叩きをするだけのことでも、実はどれだけ難しいことか。
大昔、人類がまだ猿に近かった頃は、人間の大脳にあたる原始的な部分しか存在していなかったという。人類が進化するにつれて、その外側を徐々に取り巻きながら、新たな脳が付け足されるようにして発達していった。それにより、様々な運動能力が高まっていった。これが二足でバランスをとりながら歩いたり、前方にある者に対して害を与える者、障害物など判断する部分である。少し前に、人間の脳はさらに左脳と右脳に別れていて、それぞれの機能が異なっていることがよく話題となった。片方が、情緒や感覚的な部分であり、もう片方が論理的な思考をするものである。現在のコンピューター・サイエンスで可能としてくれることは、この人間の右脳だけをとって比べても、はるかに原始的なものである。ある適度は論的な方法で、人工的に思考方法をシュミュレーションすることはできる。しかし、左脳のシミュレーション、つまり、感情の部分を取り組むことなどできるであろうか?
音楽の演奏行為が複雑な身体の制御であっただけでなく、その音楽を再現させるためには、左脳と右脳の両方をフルに生かした、論理的思考と、繊細な感覚が必要となる。音楽という時間軸に多くのパラメーターが常に並んでいるのは論理的な手段で解決できても、良いリズム・センス、音楽での詩的な表現、音感や強弱の正しい前後関係と相対的比較の感覚、激しい感情の表現、このロボットに考えさせ、感じさせ、さらに演奏することは可能であろうか?我々がこれを再現できた暁には、ロボットの新たな見地だけではなく、人類の複雑な脳の仕組みと長い時間をかけての進化の仕方の解明に大きな手掛かりとなるかもしれない。

 


追加情報

PDFファイル/RoboticMusic - Percussion Robots

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